タイの食中毒と薬剤耐性




タイでは食中毒が多いです。

いわゆる『水あたり』という旅行による疲労と慣れない暑さ、不衛生な屋台、ミネラルウォーターの硬度の違いから来るものもあります。

それとは別に食中毒菌によるものもありますので、それをまとめておきます。

食中毒の原因菌とすると、すぐO-157大腸菌やノロウイルスを思い浮かべますが、カンピロバクター群(カンピロバクター、アクロバクター、他の類似菌)も多く発生します。

カンピロバクターによる死亡例は無いので、O-157などより安心な菌のようにみえますが、後遺症として ギラン・バレー症候群を起こすことがあると言われています。

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[ボーベー市場]


出典は文部科学省の科学研究費助成事業データベースです。
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https://kaken.nii.ac.jp/en/report/KAKENHI-PROJECT-21406013/RECORD-214060132010jisseki/

タイと中国でのカンピロバクター属菌の流行状況と薬剤耐性及び我が国のそれらとの比較
Osaka Prefecture University 2009 – 2011

我が国の下痢症患者1055検体からカンピロバクター関連細菌の分離・同定を行った結果、45検体からCampylobacter jejuni、3検体からCampylobacter coliが、1検体からCampylobacter curvesと2検体からArcobacter butzleriを分離した。

タイ、中国の下痢症患者からは、通常の微好気培養でC. jejuni、C. coliとC. fetusを分離した。

食肉に関する検査では、タイの牛肉11検体のうち2検体からC. jejuni,9検体からA. butzleri,1検体からA. cryaerophilus、1検体からCampy-like(未同定)を、豚肉11検体のうち1検体からC. jejuni,3検体からC. coli,9検体からA. butzleri、1検体からA. cryaerophilusを、鶏肉20検体のうち17検体からC. jejuni、4検体からC. coli、20検体からA. butzleri、1検体からA. skirroii、1検体からCampy-like(未同定)を分離した。

一方、我が国については、牛肉13検体中2検体からC. coli,3検体からC. fetus,5検体からA. buztleri,4検体からA.cryaerophilusを、豚肉10検体中2検体からA. butzleriを,鶏肉6検体中4検体からC. jejuni、6検体からA. butzleriを分離した。

薬剤耐性について調べた結果、A. butzleriはタイ、中国、我が国ともセファロチンに対して90-100%と非常に高い耐性率を示し、次いでアンピシリンとクリンダマイシンで高い耐性率であった。タイではアジスロマイシンに我が国ではクロラムフェニコールに対する耐性率も高かった。

我が国で分離されたC. jejuniはナリジクス酸やシプロフロキサシンに対する耐性率が100%と高かったが、それ以外は比較的感受性であった。タイでは、この2薬剤に加えレボフロキサシン(クラビット)に対しても60%と高い耐性率であった。以上の結果より、3国間における食肉の汚染率、汚染菌の種類や分離菌の薬剤感受性パターンが異なることが明らかとなった。


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このレポートの内容によると、タイの方が日本よりも食肉の細菌汚染率が高いように見えますが、実際には検体が11~20くらいですので、どちらが菌がたくさん出たかはあまり意味がありません。

カンピロバクターは腸管常在菌ですので、腸を切ったり、腸を包丁でさわったりすることなく肉をさばかない限りはカンピロバクターに汚染されますので、安い肉の場合は扱いがぞんざいになるという事もあるかもしれません。

そもそもよほどの事が無ければ、まずふつうに汚染されていて、あたるかどうかは、調理方法によると考えた方が良さそうです。

ふつうにカンピロバクターが付いていると思うと、まずは生では食べないと思いますが、旅行者の気分はハイになっていますので、現地のタイ人が生で鶏肉や豚肉を食べていれば、これが通の食べ方だと言って食べるかもしれません。



それでもタイ通としては、生の鶏のラープを食べたとしましょう。

その夜から猛烈な下痢と吐き気に襲われて、トイレから出ることが出来ません。頭痛や悪寒、筋肉痛も出てきました。
「なぁに、これはタイの通過儀式って奴よ」と粋がって、日本から持ってきた薬を飲んで治すことにします。

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上記のレポートによると、タイの食中毒菌は日本の薬が効かないことになっています。日本で買ってきたアジスロマイシンはタイのカンピロバクターには効き目がありません。逆にタイで買ったシフロキシンは日本の菌には効きません。
それぞれの国で菌は同じであっても、獲得した耐性遺伝子が異なり、薬剤スペクトルが全く異なっているからです。


そうなると、5粒で600バーツとやや高い薬ですがレボフロキサシン(クラビット)にかけてみるか、効かないのを覚悟の上でシプロフロキサシン(シプロキサン、シプロ、シフロキシン)を使ってみるのが家庭で出来る最善の手段になります。それでダメならバムルンラードのような微生物学の先端医療の病院に行って、薬剤耐性の検査を受けながら抗生物質を出してもらうしかないようです。


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[クラビット]




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