その子は誰の子?~遺伝子検査




大沢・喜多嶋騒動ですっかり有名になった遺伝子検査です。

これを使えば、たちどころに女のウソがばれてしまうという男の強い味方です。

って書いたけど、ホントはそんなことはどうでもよくて、成人疾患、ガンや心筋梗塞、糖尿病などの遺伝的体質を検査するのに有効な遺伝子検査についてのお知らせが届きました。



神奈川県の「未病市場創出促進事業」助成金補助で1月末までは、150種類の病理遺伝子検査が17,880円(通常29,800円)、遺伝子検査によりわかるガンの発症リスク検査パッケージが8,880円(14,800円)と従来の4割引きになっていました。

01_0001kodak.jpg


ただしこの検査によって発病リスクがあるといっても、遺伝子要因は心筋梗塞で40%、糖尿病で26%ですから、実際にはほとんどは環境要因の方が大きいと思われます。

心筋梗塞   遺伝要因40% 環境要因60%
肺ガン      遺伝要因14% 環境要因86%
胃ガン      遺伝要因28% 環境要因72%
大腸ガン   遺伝要因35% 環境要因65%
糖尿病      遺伝要因26% 環境要因74%

それじゃあ環境要因の方が大きいから、検査は意味が無いかというとそうとも言い切れません。

理由のその1:遺伝的要因がまだ分かっていない。すべての病気の原因を遺伝子に求めることはできませんが、未解明な部分があるのも確かです。近年になってガンのみならず、心臓疾患、高血圧症といったものも遺伝要因は疑われるようになっています。

理由のその2:環境要因が遺伝要因発現のイニシエーターになっているかもしれません。つまり同じように喫煙してもAさんは肺ガンになり、Bさんはならなかった場合、Aさんではタバコの化学物質が肺ガン遺伝子の発現の引き金になるということです。

理由のその3:遺伝子要因が平均値よりも高いと判断された場合、喫煙や飲酒を控えたり、スーパーオキサイドを打ち消すような食生活を心がけることで発症リスクを事前に抑えることが出来ます。



タイで暮らすなら、ぜひ遺伝検査をしておいた方がよい項目としては、この検査項目一覧表からみると、ガン以外ではアルコール依存症、デング熱発症体質、マラリア発症体質、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症ALS、重症筋無力症、特発性振戦、腹部大動脈瘤、脳梗塞、脳血管性認知症、糖尿病、アテローム血栓性脳梗塞、痛風、心不全、心房細動、アルツハイマー症あたりでしょうか。

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ただしこの検査にもできないことがあります。

その1:医療診断ではないので、明確な遺伝病についての検査はおこなわない。つまり家族性多発性腫瘍、精神病については検査をしないことになっています。これらが疑われる場合は、別個に遺伝子検査が必要です。

その2:現在の病理状態はわかりません。つまりガンかもしれないと思っても、その診断は出来ないという事です。ガンかもしれない心臓病かもしれないと悩んでいる人はこの検査では不安になったり、ぬか喜びになるので、遺伝検査ではなく病理検査の方がいいでしょう。

その3:出生前検査としては使えません。例えば両親ともガンのリスクが高いとしても、こどもに出るかどうかの判断はできません。変な利用をするくらいなら検査をしないほうがいいでしょう。


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遺伝検査方法としてはいろいろなやり方があるが、最近よく使われているのはPCR法です。PCRとはポリメラーゼ・チェイン・リアクションの頭文字をとったものです。


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[PCR法]

【クローニング】
まずは検査する対象のDNAを増やす必要があります。検査対象が体液であったり血液であったり、場合によれば毛根である場合、DNAは微量ですから検査が出来ません。そこで検体を数百、数千倍に増やす必要があります。このとき気をつけないと、自分の体のほこりが混入して、それを増やしてしまうと、犯人は自分だったというおかしなことになります。

DNAは2重らせん構造ですので94度にあたためて1本鎖DNAにバラします。これをDenaturation変性といいます。

次に60度に下げて、プライマー塩基をDNAにくっつけます。これをアニーリングといいます。プライマー塩基というのは増幅したいDNA断片の先頭となる塩基配列をしたものです。

次に72度に温めて、プライマーから始まるDNAの2本鎖を合成します。このときDNAポリメラーゼという酵素を使うのですが、ふつう考えて72度で働ける酵素なんてありません。
ふつう酵素は60度を超えると失活します。72度で酵素が働くのであれば、石川五右衛門は煮えたぎった湯の中でも平気ということになります。


その難問を解決したのが、Drコトーがいそうな南の離島でした。
トカラ列島小宝島の湯泊温泉で見つかったサーモコッカス・コダカラエンシスという微生物です。
この細菌のポリメラーゼは94度でも失活しないので、94度/60度と温度を繰り返しても何回でも使えることになります。
小宝島は世界的に有名な島になりました。


03_2213kodak.jpg
[小宝島 http://www.aruzou.com/tokara/tok_kotakara.htm]

さてこうして94度ー60度-72度を繰り返すと1サイクルで2倍に増えますので、10サイクルで2×2×2×2×2×2×2×2×2×2=1024倍に増えます。nサイクルおこなうと、2のn乗に増えることになります。

厳密には3サイクル目でできた8本のDNAのうち、2本だけが純粋なクローンですので分離をする必要があります。

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【DNA型鑑定】
次に、そうやって増やしたDNAの型配列の類似性を調べることになります。

例えば、犯人鑑定では犯人と被疑者のDNA断片との塩基の出現パターンを調べます。
ATTという塩基部分でDNAを切断する制限酵素でDNAを分解したとしますと、ATTを頭にした長さの違う断片がいくつもできます。

このDNA断片をフラグメントアナライザーを使って、電気泳動像のスペクトルをとります。その断片の長さは同じ人物なら一致しますので、犯人のスペクトルと被疑者のスペクトルを比較して確率統計的に一致度を調べます。

DNAの遺伝子を調べているわけではありません。


04_ph_3kodak.gif
[電気泳動像のスペクトル]


昔はこれでもアガロースを溶かして電気泳動をやっていたから時間はかかったものですが、今ではキャピラリーでできます。



JIMMY

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