Macで開発をやるということ




これは1994年ころの話なのでもう話してもいいと思うのだが、アップルがCoplandを開発していた頃です。CoplandとはWindows95に対抗するOSでOS 8のプロトタイプとして開発をしていたコードネームです。結局はコードネームTempoがOS 8になったので、CoplandはRhapsodyに開発変更をされて、その後UNIXに書き直してOS Xに引き継がれることになります。

とはいえ引き継がれたのはQuickTimeとあと数編のGUIくらいでほとんどはポシャです。
このCoplandやRhapsodyの狙いは高性能化したCPUに依存したマルチタスクとエミュレーターです。すなわち、この頃アップルはマックでもWindowsでも動かせるというマルチなプラットフォームを考えており、マックOSの上でエミュレーションをかけることでWindows95も動かせるということまで考えていました。

これにはマシンの性能という問題もあるし、当時のモトローラの680x0系では無理という面もあるので、増設エミュレーションボードで対応させるとか、モトローラはダメだからIBMのPowerPCだ、いやいやインテルの86系コードを採用しろとか、いろいろ意見百出でした。

今で言うと64ビットのCore i7になってようやく Windows 7 Professionalに搭載されたWindows XPエミュレーションモードで、XPでしか作動しないアプリを動かすことができるようになったことで実現した内容です。

今から思うと、随分と無茶なニーズをひ弱なCPUに期待させたということになるでしょう。スタートして5分で「爆弾マーク」が出てフリーズする。フリーズしなくても命令を無視する。電源が落ちるなど症状は様々です。


01_1192copland.jpg
[爆弾マーク]

(註)マックにWindowsを載せることはBootCampで出来ますが、それはブートでのOS選択ですので、エミュレートとは異なります。
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ところが、開発デベロッパーに与えられた時間はたったの2年間です。今はもっとタイトかもしれません。

まずはMacintoshデベロッパプログラムに製品開発計画書を提出します。ここでデベロッパプログラムに認証されるまでに4週間かかります。年会費は8万円です。

次にデベロッパプログラムに認証されてから、デベロッパ用開発機材認定書が送られてきますので、プログラミング用ツールとテクニカルドキュメントを購入します。

その間にデベロッパユニバーシティの参加登録をすれば、新しいテクノロジーについての講習会に参加できます。これも有料です。プログラミング講習はスクリプトや、デバイスドライバ各々に分かれていて各3日くらいです。
もちろん入門編もあります。

その間に腐るほどデベロッパーCDが送られてきます。中身はだいたい言語スクリプト(OSの日本語化パッチやIMEなど)が多いのですが、たまに面白いアプリも付いてきます。

これでだいたい1年目は終了ですが、終了する30日前までにまた年会費8万円送って会員継続をする必要があります。

だいたい1年以内にアップルディレクションでマーケッティング情報を探しながら、製品化のプロジェクトにかかります。

開発をしながらもOSの開発も同時進行ですから、リソースの最新バージョンに気を付けておかないと、リソース破棄なども起こります。

だいたいここで、製品のプロトタイプが出来たとすると、デベロッパ用テスティングルームに予約を入れて、各種のマックでも動くかどうかのチェックをしながら、ベータ版を配布してユーザーテストをします。

製品としてのバグ取りが終了すると、クリエーターとアプリの作るファイルタイプ、カスタムリソース、スクラップタイプをデベロッパーサポートセンターに登録します。この時16進数も記載します。

完成した製品はプレリリース、デモバージョンを通じて、ディーラーや、公官庁、研究機関、一般ユーザーなどそのアプリを必要とするであろう市場に紹介をして完成ということになります。ここまでで約2年の期間が必要です。

ところが、デベロッパー側から、あれをしてこれをしてと要求が膨大になって、すべてをテンコ盛りすることで、OS自体がポシャると開発側のアプリもポシャですから、常に安全パイも考えておかないとアップルと心中することになります。(この当時は本当にアップルは危ないと身売り話が囁かれていました)

その点でもアドビのように二股をかける開発会社が出てくるのもこの頃になります。ただゲームメーカーではなかなかそうはいかないので、プラットフォームがポシャると道連れになるところもあるようです。
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最後にこの話とタイとの関連をひとつ。

Coplandはポシャりましたが、その技術は開発ではまだ使われています。OpenDocのコンポーネントの一つであったQuickTime VRです。QuickTime Player自体はムービープレイヤーがあれば要らないのですが、QuickTime VRは360度パノラマムービーを作成する技術です。これはWindowsではFlash VRへと引き継がれました。

バンコクのホテルなどで採用されている360度ビュアーがこの技術の応用です。

02_1012copland.jpg
http://www.bangkokin360.com/virtualtour/accommodation-hotels/hansarbangkok/idevice/
[うちのコンドの周辺のVRです:URLをクリックすると360度パノラマになります。マウスの左ボタンを押したままドラッグすると動きます。ホイールを動かすとズームになります。]




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