超高速バンコク参勤交代




バンコクから東京に戻るのに飛行機で約6時間もかかってしまいます。
けっこう遠いです。

とは言え、東京なんて近いじゃあないか、遠い人はもっとかかると言われそうですが。

ともかく、時間がかかる。もっと速くならんものかと思う事もあるのです。

実は現代の技術だともっと速くなることは十分可能です。だいたいバンコクー東京で3時間くらいになると思います。

現在就航しているB787がマッハ0.85です。コンコルドだとマッハ2.0ですから2倍以上速く行けます。まあ実際には離陸、着陸時の経過時間、巡航高度までの移行時間など有りますから空港から直ぐにマッハ2.0が出るわけではないのですが。

戦闘機で見ると大型のF/A-18E/Fスーパーホーネットがマッハ1.6です。

したがって、ホーネットクラスの推進力を持てば、3時間でタイまで行くことは可能です。

01_20090204.jpg
[F/A-18E/Fスーパーホーネット]

戦闘機と比べても仕方がないのですが、ではなぜ出来ないのか。
それはソニックブームというネックがあるからでしょう。
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「ソニックブーム」とは、音速の壁を超える時に発生する衝撃波です。
ジェット機が飛行する時の騒音ですが、キーンとかゴーとかの騒音の事では無くて、ドカーンという衝撃波が発生し、衝撃波によっては窓ガラスが割れる事もあります。

以前ロシアで発生した隕石が空中爆破することによるソニックブームではあたりの工場の窓ガラスがすべて割れ、まるで爆発が起きたような状態になりました。

コンコルドは大西洋に出てからマッハに入るようですが、それでも客船に被害があったという報告があります。


[コンコルドのソニックブーム]

スーパーホーネットのような小型の戦闘機でさえもソニックブームは広範囲に広がります。厚木基地で測定されたホーネットのもたらす騒音は町田市から藤沢市臨海部まで観測されていますから、旅客機になるともっと大きなソニックブームが発生することになり実用性が無くなります。

02_commL.jpg
[厚木基地周辺の騒音超過区域]
(註)これは厚木基地周辺の騒音超過区域の分布図なので、直接ソニックブームの発生している地区というわけではありません。


  ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

かつて超音速旅客機を設計する段階では、高高度を飛行する場合は地上まで距離があるので、ソニックブームは減衰するという計算をしていました。実際に飛行を開始すると、計算とは違いほとんど減衰しないことがわかりました。意外と机上の計算は当てにならないものです。

そこでJAXAではこのソニックブームを減衰する航空機の設計実験に着手を始めたところです。

まずソニックブームの大きさは、F-104が38パスカル、SR-71偵察機が43パスカル、コンコルドが93パスカル発生しています。だいたい速度はマッハ2.0(SR-71はマッハ3.0)ですが、機体の大きさ、形状が発生要素を大きく決定しています。単純にはいかないが機体が大きいほどソニックブームは大きくなります。

※パスカル=圧力の単位。Pa。1Paをマイクの基準音圧として、20Paが人間の耐えられる最大音圧120dBである。200Paでマイクが壊れる音圧140dBになる。



F-104 M2.0 全長16.7m、全幅6.69m
SR-71 M3.0 全長32.73m、全幅16.94m
コンコルド M2.0 全長61.66m、全幅25.55m


ソニックブームは飛行機が超音速で飛行する場合、機体各部から発生する衝撃波が大気中で長距離伝送するに従い統合して、地上では2つの急激な圧力になります。つまり2つの巨大な音波が襲ってくることになります。この形状からN型圧力波形として観測されます。

03_2234.jpg
[ソニックブーム発生のメカニズム]

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そこでJAXAの実験機では、ソニックブームの低減のための機首の形状の研究、水平尾翼の逆キャンバ、主翼のブーム特性を設計中です。

04_DSENCE.jpg
[低ソニックブーム機の実験タイプ]

現在までに、ソニックブームの測定方法の確立(D-SEND#1)、高度30000mからの落下によるマッハ1.3の飛行と飛行体の自動着陸(D-SEND#2)までのプロジェクトまで成功しています。今後はさらなる研究を通じて、ソニックブームの低減化と実用機体での実証実験が期待されます。

05_sonic.jpg
[実験結果]

その結果として考えられた次期超音速旅客機のモデルは全長47.8m、全幅23.6mという小型機です。最初にスーパーホーネットの話を振ったのはちょっと尾翼が似ていたからです。


JAXAモデル 全長47.8m、全幅23.6m、定員50
(参考)
B-787 全長56.7m、全幅60.1m、定員250
B-777 全長63.7m、全幅60.9m、定員300


ただしこれではバンコク―東京間の航空運賃は40万円近くになると予想されます。

06_photo2_l.jpg
[JAXAの小型超音速機予想図]


ちょっと、ちょっと40万円なんて高すぎません。誰が乗るんですか。

ソニックブームを小さくするには、現在のターボファンエンジンではこんな飛行機になってしまうのです。そこで現行のエコノミー料金くらいに抑えるにはエンジンもターボファンではない新システムを開発する必要があり、あと20年くらいはかかると予想されます。

ボーイングは新世代機747Xをあきらめて、次期旅客機はソニッククルーザーにするようです。ソニッククルーザーは速度をマッハ0.98でおさえて、ソニックブームの問題を避けて、バンコク―東京間を5時間程度のフライトにしようということです。

07_sonic_d7.jpg
[ボーイングSonic Cruiser]

ちょんぼし速くなるダケじゃないか・・・でも東京―パリくらいならありがたみが出るかも。


JIMMY

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テーマ : 宇宙・科学・技術   ジャンル : 学問・文化・芸術

No title

最後の写真の、ソニッククルーザー
なんだかやたらかっこいいですね。

そういえば、飛行機って目に見えて進化して
いないような。。
ほんとに、もう少し早かったらと思ってしまいます。
エコノミーでは、快適な空の旅とは程遠いですしね。

ぷんぷく さんコメントありがとうございます

ホントに飛行機(旅客機)ってみんな同じ形ですね。
多少の違いはおでこがあったり、翼の先が曲がっていたりくらいしか差がないです。

最後のソニッククルーザーってなんかイカ飛行機に似てませんか?
やはり最終形態はイカ飛行機がトレンドでしょうか。
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