「はやぶさ」は世界一の宝物を発見した?

(2013/7/26)


「はやぶさ」のその後について、JAXAに行ってきました。

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(写真01)

「はやぶさ」については渡辺 謙主演の映画の方がドラマ仕立てで分りやすいです。リアルでは淡々としてるもんですから。

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(写真02)

「はやぶさ」も事業仕分けの兇刃にかかり、「こんなもんに金をかけるんは役人の天下りのタメでしょ」とまで言われ、予算が13億から3000万まで削られるというJAXAの大ピンチでした。

確かにいままで広報活動が地味だったし、理系はそういうの苦手だからネ。
そのせいか、「はやぶさ」って何?という感じから。
今では「はやぶさ」が感動キャラにまで昇格しましたので、事業仕分けも科学の重要さを思い知ったという意味では反面教師だったような気もします。

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(写真03)

さてこの「はやぶさ」のおさらいをしますと。

2003年5月9日にHVロケットで打ち上げました。

2005年9月12日小惑星イトカワ1998SF36に到着。

9月30日イトカワから7km地点に降下。

※ここまでは順調です。

10月3日リアクションホイール故障

11月12日探査ロボット「ミネルバ」降下。「ミネルバ」はイトカワに着陸できず

11月20日26日イトカワに本体着陸。その後燃料漏れ。

12月9日電波交信不能。「はやぶさ」宇宙の迷子になる。

※この時点でNASAから見放されます。「ハイ失敗ネ」

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(写真04)

2006年1月23日「はやぶさ」の発信電波ビーコンを発見

2006年2月イオンエンジン不調。帰還絶望

※この時点で再度NASAから見放されます。「モウ、アキラメナ、ツギガアルヨ」次なんて金は無いんだよ。

05-hayabusa051322.jpg
(写真05)

これが、イオンエンジンです。

2006年5月イオンエンジン再起動成功
やっと帰れる!!!

2006年7月イオンエンジン回路を繋ぎ直したら燃料を使いすぎて姿勢制御不可能、このままだと燃え尽きる

2006年7月燃料の代わりに太陽光の圧力で姿勢制御に成功

06-hayabusa.gif
(写真06)

2007年4月地球に向けて帰還開始。しかし正常運転はDスラスタのみ
1台のエンジンだけだと帰るまで寿命が持たない・・・でも帰れないと決まったわけではない・・・

2009年11月イオンエンジンの回路を遠隔操作で繋ぎ直し、再起動成功
※この辺から神業というか、理論上は考えられても、実践した事の無いスーパーテクニック

やっと帰れる!!!

2010年6月13日大気圏再突入「はやぶさ」燃え尽きる。回収カプセルは地球に届ける。

このあとまたしても、「はやぶさ」はサンプルの持ち帰りを失敗したというネガキャンペーン始まる。

この間いろいろ事件や事故もあったけど、NASAが見捨てて、追跡は打ち切る決定をしたのが2005年12月ですから、JAXAは危機からの脱出方法というNASAにないノウハウを得たことになります。

また地球から20億キロも離れた場所の回路設計をするというNASA的にはクレージーで変態的なことまでやり遂げるJAXAとNECの技術にはアメリカも一目置いているようです。

NECも携帯電話ではどうしようもないが、宇宙技術ではトップレベルです。

07-hayabusa0512.jpg
(写真07)

これが、「はやぶさ」の持ち帰ったイトカワの表面の石。成分はカンラン石単結晶Mg2SiO4で非常に鋭利に尖っています。長径が49㎛(マイクロメートル)のRA-QD02-0185です。
「はやぶさ」の持ち帰った石は全部で1500以上ありました。それぞれNASAやウィスコンシン大などで研究中です。

http://hayabusaao.isas.jaxa.jp/catalog/dist/
[全リスト]

成分は地球に落下した隕石と同一なことから小惑星帯が地球の隕石の起源であるという証拠になります。

また、密度が1.9g/cm2と予想よりはるかに小さい値を示し、内部の構造から、イトカワが破片の集合体(ラブルパイル)天体であると考えられます。

08-hayabusa7792.jpg
(写真08)

ラブルパイル天体のモデル:例えれば落雁みたいな状態

いままでのNASAの学説ではこのような小惑星がラブルパイル天体などあり得ないとされていただけに、この小さな星がラブルパイルであったという惑星科学上の大発見がありました。

09-0506.jpg
(写真09)[ラブルパイル天体の形成の過程(JAXA)]

10-模式図01
(写真10)[イトカワ形成過程の模式図(JAXA/東北大)]

11-spectr0001.jpg
(写真11)
[JAXAキュレーション設備での走査型電子顕微鏡解析(JAXA)]
curation, SEM observation at curation facility


さらにイトカワの岩石RA-QD02-0185をスペクトル分析してみましたら、Au(金)のピークが一番高く、あとはMg(マグネシウム)とO(酸素)がそれぞれその半分ほどのピーク、微量にFe(鉄)が続いています。

「はやぶさ」の持ち帰った岩石は、ジョンソン宇宙センターをはじめ世界中で研究が進んでいます。

この微小な石は、わずかな短期間で次々と新発見がつづくという驚異のサンプルだとわかり、『世界の宝物』といわれています。

アメリカではこれに触発されて、彗星探査機「スターダスト」計画に代わって2016年打上げのオシリス計画をスタートさせました。

ちっぽけな小惑星をちっぽけなロケットで調べていたはずなのに、実は世界最先端をぶっちぎりで走っていたんですね。

結果が見えるものだけが、良い投資ではない。なぜならば、人々は未来の結果というものをみたことがないからだ。たしかにインターネットなど知らない人間に対し、メールやスマートフォン技術への投資をいくら説明しても、手紙やTVで十分だと事業仕分けの大義名分でバッサリ切られたかもしれない。かれらには投資の本質が見えていないのだから。


ファラデーの逸話『「磁石を使ってほんの一瞬電気を流してみたところで、それがいったい何の役に立つのか」と問いかけた政治家に対し、「20年もたてば、あなたがたは電気に税金をかけるようになるでしょう」とファラデーは答えた』
出典元:電気史偉人辞典


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