ウランを濃縮してみます?




日本に滞在中に、三菱みなとみらい技術館でウラン濃縮工程を見てきました。
三菱みなとみらい技術館というのは、桜木町の三菱重工横浜ビルにある展示館です。
入館料は500円ですが、1000円払うと1年間何度でも入れるパスポートを貰えます。

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[三菱みなとみらい技術館]

まず、これがウラン鉱石。紫外線を当てると緑色に蛍光を発します。燐灰ウラン鉱Ca(UO2)2(PO4)2・10-12H2Oだと思われます。この時点では触っても大丈夫です。

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[ウラン鉱石]

これはイエローケーキといいます。ウラン鉱石を砕いて硫酸などを入れてUO2(SO4) を作り、水酸化ナトリウムをくわえて重ウラン酸ナトリウムNa2U2O7を沈殿させます。その後精錬度をあげて八酸化三ウランU3O8にします。この状態では黄色い粉末になっています。

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[イエローケーキ]

この八酸化三ウランにフッ化水素を高温で反応させて六フッ化ウランUF6を作ります。ここまでの製造工程は日本には無いので、日本ではこの六フッ化ウランを購入するところから原子力事業が始まります。

この六フッ化ウランは60度で気体になります。気体にしたUF6を繰り返し遠心分離してU-235とU-238に分けていきます。U-235は核分裂を起こすウラン、U-238は核分裂を妨げるウランなので、原子炉燃料にU-238が多くなると核分裂は起こりにくくなります。

(逆に水爆ではU-238が無いと連鎖反応が促進しないので、U-238が無害無益というものでもありません)
このU-238とU-235の違いは中性子3個ぶんですので、質量がごくわずかに違う事になります。わずかといっても600,000,000,000,000,000,000,000個集めて238gと235gですからほとんど完全分離は不可能です。U-235の割合を増やす(濃縮する)だけになります。

04_0578pellet.jpg
[六フッ化ウラン]

こうして濃縮ができたUF6は冷却して濃縮ウランになり、残りは劣化ウランになります。

2012年のデータでは日本の濃縮能力は1050トンと、中国とほぼ同じです。ただ日本が濃縮ウランを原発に利用することを止めると、核兵器保有力は中国を上回ることになります。
ちなみにドイツのグロナウにあるウラン濃縮工場の濃縮能力は1800トンです。原発を止めたはずのドイツでもウラン濃縮は粛々と続けており、核爆弾開発能力は中国の2倍であるという事が世界の現実です。
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六フッ化ウランは酸化して二酸化ウランUO2に変えて、粉末にしてセラミックに焼成したものをペレットといいます。
ちょっと前まではこのペレットモデル(劣化ウランで作ったペレット)も貰えたものですが、最近は持ち出し厳禁になりましたので、三菱の子会社のニュークリア・デベロップメント(NDC)の写真を引用します。

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[ペレット:出典NDC]

このペレットを腐食に強いジルカロイで作った長い管(燃料被覆管)に詰めたものを燃料棒といいます。あとはこの燃料棒を束ねて原子炉燃料とするわけですが、燃料棒内で核反応により堆積が膨張したり収縮することはメルトダウンにつながりますので、被覆管の材質や均一性、ペレットの結晶の大きさや形状が重要になってきます。

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[燃料棒]

韓国のヨングァン原発(全羅南道)のように、偽造した品質管理証を使って安い被覆管を使った場合、目に見えない小さな傷であっても、それは燃料棒の爆発につながりますので、決して看過してはならない大事件です。


JIMMY

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