『アラベッラ』、オトナの愛




新宿初台の新国立劇場オペラパレスでリヒャルト・シュトラウスの歌劇『アラベッラ』が行われています。
今日は歌劇『アラベッラ』の千秋楽のチケットが当選したので観劇に行きます。

指揮:ベルトラン・ド・ビリー
管弦楽:東京フィル。
演出・美術:フィリップ・アルロー
舞台監督:大澤裕
衣装:森英恵

アラベッラ:アンナ・ガブラー(ソプラノ)
ズデンカ:アニヤ=ニーナ・バーマン(ソプラノ)
マンドリカ:ヴォルフガング・コッホ(バリトン)
マッテオ:マルティン・ニーヴァル(テノール)
ヴァルトナー伯爵:妻屋秀和
アデライデ:竹本節子

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[アンナ・ガブラー]

チケットはSが27000円で以下21600円、15120円、8640円、5400円となっています。
今回は特別に当選者には1620円になるという抽選チケットでした。
バーツ換算ではS席8500THB、A席6800THB、B席4800THB、C席2700THB、D席1700THB、抽選席500THB、ということになるでしょうか。

抽選席(Z席)は4階桟敷席でした。4階ですが入口が4階で実際は3階ウイングの位置になります。

なお、転売を防ぐためにチケットの予約発券はありません。購入証明書提示でチケットをもらいます。

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[チケット]

この新国立劇場というのは、初めて来ましたが隣にオペラシティが並んで建っていたので迷ってしまいました。こんなに近くにオペラハウスをたくさん建ててどうするんだろう。オペラが上演できるホールとして新国立劇場にオペラパレス、プレイハウス、オペラシティコンサートホールがあります。
ただ、高いコンサートは新国立劇場で、学生コンサートなどはオペラシティでやっているようです。

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[新国立劇場]

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[エントランス]

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[オペラパレス]

歌劇『アラベッラ』って何?という方にはまず下のコマーシャルを。
これはサントリーVSOPのCMです。
鹿賀丈史が今宵の特別な御席にご招待し
「愛し合って下さい。ブランデーからの、お願いです」
というメッセージを込めています。

『アラベッラ』第2幕の二重唱"Und du wirst mein Gebieter sein"のシーンが流れています。

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リヒャルト・シュトラウスという作曲家はあまり馴染みが無いですね。『ツァラトゥストラはかく語りき』や『英雄の生涯』といった交響詩の方が良く知られています。
R・シュトラウスの本領は指揮者としての活動とオペラだと言われています。指揮者としてはカール・ベームやジョージ・セルの先輩にあたりますので端正で哲学者のような寡黙な指揮スタイルです。カラヤンのような華麗な指揮ぶりとは無縁でした。指揮者が演奏をするのではなく、「無為の為」により音楽とは自然に湧き上がるものであるという哲学です。

作曲家としてはマーラーなどと一緒に後期ロマン主義音楽に位置づいています。
この時代のオペラ作品はプッチーニなどのように歴史上の悲劇を扱ったものが多く、ドラマティックで可哀相な女性を描くものが多いです。それぞれ序曲やアリアだけ単独に演奏されることもあります。

それに対しR・シュトラウスのオペラは序曲も間奏曲もありません。(第3幕の初めに少しだけ前奏曲があります)
アリアやレシタティーボでの進行とは異なり、演劇のような地のセリフもあります。
アンシャンレジュームへの懐古が主題となることが多いようですが、人物描写は日常性が主になり、ドロドロした本音の科白も出てきます。
そういうところが、オ・ト・ナの歌劇といったところです。

歌劇『アラベッラ』でも没落貴族のヴァルトナー伯爵は、昔の優雅な暮らしから抜け出ることができずにホテルで暮らしながら毎夜トランプ博打で財産を擦り減らすという暮らしを続けます。
破産から逃れ、優雅な暮らしを取り戻すために長女のアラベッラを富豪に嫁がせようとします。
次女のズデンカはマッテオがアラベッラに好意を持っているなることを知っているが、ズデンカ自身がマッテオに愛情を持っているので仲を取り持つことができない。
アラベッラは富豪のマンドリーカに好感を持つものの、恋に身を焦がすことにはためらっている。
そんな三角関係でオペラは進んでいきますが、このあたりの展開はチマローザやロッシーニのオペラのようです。

もはや時代に取り残されつつあるウィーン宮廷の貴族。
親が決める持参金めあての婚姻。
そのなかで押しつぶされそうになりながらも愛を求める人々。

1860年のウィーンが舞台ですから、蝶々夫人のいた時代とほぼ同じです。
当時のウィーンは北のドイツ帝国に押され、しだいに没落しつつある時代です。
蝶々夫人とアラベッラを比較しながら見ていると、愛のかたちの霊妙なるを感じます。

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第一幕では、クリムトの絵が6枚かけられたホテルの一室です。クリムトの金色に対しステージはディープスカイブルー一色になっています。窓の外は雪が降っているようです。今日は謝肉祭の最終日、まだ見ぬ理想の恋人の話をアラベッラと妹のズデンカがしています。妹は姉を愛の光のもとに送れるのなら、自分は闇に落ちてもかまわないと決心しながら第二幕へ進みます。

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[クリムト/接吻]

やはり最高の見せ場は、第二幕の舞踏会でアラベラの登場する場面です。絢爛豪華なリヒャルトシュトラウスならではの演出でしょうか。
青・青・青の青一色の階段のある舞台に白薔薇を散らし、アラベッラはセルリアンブルーのドレスに純白のイブニングケープで登場します。この森英恵デザインのドレスはとても素晴らしく、スタイリッシュです。これを着こなせる日本人は居ないんじゃあないでしょうか。ここでは300種類もの青が使われているそうです。

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[舞踏会]

第三幕の愛を失ったら自殺すると思い詰めたマッテオの命を救わんために、ズデンカは自分の操を捧げます。ズデンカを優しく抱き抱えるアラベッラの神々しいばかりのシーンには、感動に涙をこらえきれません。
アラベッラの貞操を疑ってしまったマンドリカは、アラベッラの面子を潰したことを恥じて婚約を解消して国に帰ろうとします。アラベッラの父は破滅だと叫んで銃でこめかみを撃とうとします。
アラベッラは体面や怒りに心を乱されて真に心の求めるものを見失ってはいけないと婚約を受諾する杯をマンドリカに手渡すところで幕が閉じます。


[アラベッラ ダイジェスト/新国立劇場]



オペラパレスだけあって結婚式に出かけそうなフォーマルドレスを着たお嬢さまが多かった気がします。皆さんオペラが終るとよかったよ~と興奮さめやらぬお顔をされてらっしゃいました。

一番いい席だと8000バーツを超えるお値段ですが、今宵は愛する心の素晴らしさを、いつくしんでいただけたでしょうか。

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本日のお宝アイテム。新国立劇場だけで売っているピノコのバレーストラップ。

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いやぁ~オペラって本当にいいものですね。

これはハマりそうです。これからはオペラ解説中心のブログになっちゃうかもしれません。
お金がつづくかなぁ(笑)。



JIMMY

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