真空管式スーパーコンピューター




上野の科学博に出かけてみる。

ロケットエンジンや人工衛星が華々しく展示してあります。その片隅に「FUJIC」という日本で最初のコンピュータが展示してあった。

01_0522tubepc.jpg


富士通かと思ったら、富士フィルムが作ったんだね。

1956年に完成した1700本の真空管による動作周波数25Hz、メインメモリ7425Bitという性能であったので、入力はカードリーダー、出力はタイプライターを使っている。


現在のメインフレーム並みの大きさを持っているのだが、真空管の当たり外れがあるので、時々切れることがある。

もっともそれは設計のアーキテクチャの問題ではなく、単にパーツである真空管の品質の問題である。

このコンピュータの初期モデルの素晴らしい点は、作動状況が真空管の点滅によってわかりやすくなっており、故障箇所も一目瞭然である。

FUJICの活躍できた期間はわずか2年半でしかなかったという説明があったが、これを短期間とみるか、2年半も活躍できたとみるか。

現在のコンピュータなど1年もしないうちに陳腐化するから、この当時にしては長寿だろうね。


これを見た若い研究者なら、「このロジックをこうすればもっと速くなるかも」、「真空管をトランジスターに変えればもっと集積化できるかも」、と次々に夢見たに違いない。

そういう意味でこのコンピュータは、すべてのコンピュータの母親でもある。

02_0523tubepc.jpg


しかしFUJICがこの世に誕生してから70年経過したのだが、確かに高速化してメモリも増えたということはあるが、基本的な部分は何一つ変わっていないのじゃあないだろうか。

この間にあった変化というと。。。電話をかけられるようにというなったくらいかな。

MP3が再生できるとか、動画が見れるとか、は単にプログラムの改良に過ぎない。

ディスプレイに変わったとか、マウスになったとかもI/Oの変更に過ぎないから基本設計が変わったわけではない。

所詮は電線を伝わった電子が真空管・トランジスター・IC・LSIへ運ばれていくわけで、計算能力を高めるには電線が短いほどいいので、より細いプリントパターンになる。

早く多量に流そうとすると発熱をする。発熱を抑えるために冷却装置が要るが、これもノイズの原因となる。

********************************************************

今後のアーキテクチャの革命的な変化として期待されるのは、量子アニーリングと量子テレポーテーションであろうか。

前者はインプットされるデータの最適化という方法をもとに2048ビットのコンピュータを実現できるようにする技術である。後者は電子がコードや基盤の上を流れるという伝達方法からの脱却である。




JIMMY

最後までおつき合いありがとうございます
タイブログのランキングに参加してます。
下記バーナー↓↓↓を1日1回一押ししてもらえると大変嬉しいです!

にほんブログ村 海外生活ブログ タイ情報へ
にほんブログ村
にほんブログ村 海外生活ブログ バンクーバー情報へ
にほんブログ村



スポンサーサイト

テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。   ジャンル : 学問・文化・芸術

ジェットエンジンのバードストライク




先日、熊本空港付近でJALのエンジン部品が落下してきて民家のガラス窓を突き破ったという事故があった。

ジェットのファンブレードらしい。

01_2018jetengine.jpg
[引用:毎日新聞記事より]

こんな大きさの部品が空から降ってくるというのも怖いもの(乗客も、地上の人も)だが、原因は鳥がエンジンに飛び込んだものと考えられている。

いわゆるバードストライクである。


バードストライクが発生すると飛行が不可能になって墜落するものかと思ったら、実は操縦士も乗客も気が付かないこともあるらしい。

ただエンジン予圧などのゲージでも変化はあるが、メーターの故障なのか深刻なエンジン破損なのかはその場ではよくわからない。

原始的だが、撮り空マニアの写真から分かったということもある。

最近ではドローンストライクなどという事案も発生しているから、阿蘇山周辺をドローン撮影していたことも可能性としてあるようだが。

********************************************************
レシプロエンジンではバードストライクは無かった。もっとも有ったかもしれないが、重大な事例にはならなかった。

これは構造的にエンジン内部に鳥を巻き込むということが無かったからである。しかしプロペラに激突し、プロペラを変形させるようなことがあれば飛行は困難になる。

02_0502jetengine.jpg
[51式ゼロ戦:国立科学博]

ジェットエンジンの時代になって、初期のターボジェットエンジンのようなレトロタイプではバードストライクは少なかったのかもしれない。

このタイプのエンジンは全高が40cm程度であり、その大部分をノーズコーン(中央の丸い軸)の部分が占めているので、大きな鳥は入りにくい。

ただこれでも裁断された鳥の欠片はファンに入るし、この当時のジェットエンジンは出力が低いので、現在のように片側エンジンが停止しても大丈夫!!ということにはならない。重大な事故になる可能性がある。

03_3270jetengine.jpg


ジェットエンジンもターボファンエンジンの世代を迎えると、さらに巨大になる。ボーイング777のPratt & Whitney:PW-4000エンジンではファンの大きさは2850mmになる。

まるで扇風機のようなエンジンなので、巨大になると吸い込まれる鳥も多くなる。
400mmのエンジンでは逃げられた鳥も2850mmでは逃げようもない。

04_0574jetengine.jpg
[PW-4000の1/4モデル:三菱みなとみらい技術館]


05_0575jetengine.jpg
[PW-4000の1/4モデル:三菱みなとみらい技術館]

このように飛行機の高速化はエンジン部品の軽量化と相関関係にあり、高速化すればするほどバードストライクに対して脆弱化するというジレンマがある。



JIMMY

最後までおつき合いありがとうございます
タイブログのランキングに参加してます。
下記バーナー↓↓↓を1日1回一押ししてもらえると大変嬉しいです!

にほんブログ村 海外生活ブログ タイ情報へ
にほんブログ村
にほんブログ村 海外生活ブログ バンクーバー情報へ
にほんブログ村



テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。   ジャンル : 学問・文化・芸術

水ってH2OだっけHO2だっけ(超音速旅客機の話)



水はH2Oだったかな?HO2だっだったかな?

水は「H2O」です。
でも光化学反応で生じるO2-(活性酸素)は

01_9522O2_H2O.jpg

という反応によって、「HO2」(超酸化水素)に変わります。

H2O2が過酸化水素なので、もうひとつ酸素が多い化学式になっています。

********************************************************
さて、現在のケロシンを燃料とするジェットエンジンではマッハ1クラスの推進力になります。
F-22などの戦闘機ではもう少し推進力は大きいのですが、それでは100人、200人といった大量輸送には向いていません。



ところが、マッハ5クラスとなる次世代の超音速旅客機のエンジンとして期待されている予冷ターボジェットエンジンでは燃料として液体水素を用います。

02_hypersonic05.jpg
[次世代超音速旅客機のエンジンレイアウト:出典JAXA]

マッハ5で飛行することにより、エンジンは1000度まで上昇しますが、それではいくらチタン合金であっても連続使用に耐えられなくなります。場合によれば熱融解するのでエンジンは廃棄処分になります。

また排気が高温になればなるほど、外気に触れた時の熱膨張が生じ、それが騒音の主原因となります。

そこで液体水素により空気を予冷してエンジンを300度にまで下げることで長時間の使用に耐えられるエンジンにするという方法がかんがえられます。これが「予冷ターボジェットエンジン」です。


03_hypersonic02.jpg
[予冷ターボジェットエンジン:出典JAXA]

しかし水素を燃焼するアフターバーナーでは排気ガス中に超酸化水素HO2を含有される可能性が高いと考えられています。

この超酸化水素HO2は成層圏において、オゾンと反応しオゾンを酸素に変えるということが化学反応で分かっています。

  HO2 + O3 → OH + 2O2
+)OH  + O3 → HO2 + O2
============
              2O3 → 3O2

そこで超酸化水素HO2がどの程度までオゾンを減少させるのか、またエンジンが何度で走行するときに最もオゾン減少率が高いのか、またオゾンは何時間で元の状態にリカバリーされるのかという調査が必要になります。

********************************************************

現行のジェットエンジンではケロシンを燃料にするので、CO2、NOx、SOxを含む排気ガスを放出しています。無論、炭化水素ですのでHO2も排出されています。

現行エンジンの方が排気ガス成分は良くないのですが、問題視されずにいるのは、

①高度が35,000フィートと低いので成層圏まで届かないこと。
②現行で多くの飛行機が運用されており、これを止める経済損失は計り知れないこと。
③新エンジンは出来るだけクリーンな状態で設計しておいた方がよい。

ということでしょう。


JIMMY

最後までおつき合いありがとうございます
タイブログのランキングに参加してます。
下記バーナー↓↓↓を1日1回一押ししてもらえると大変嬉しいです!

にほんブログ村 海外生活ブログ タイ情報へ
にほんブログ村
にほんブログ村 海外生活ブログ バンクーバー情報へ
にほんブログ村



テーマ : 科学・医療・心理   ジャンル : 学問・文化・芸術

根寄生性雑草ストライガはタイを飢餓大陸に変えてしまうかもしれない




根寄生性というライフサイクルを持つ寄生植物がある。広義にはキノコやラフレシアも入るのだが、この場合は宿主の生育を阻害する雑草である。

スーダンやブルキナファソではイネ科植物に根寄生性をするストライガ(Striga sp.)の被害が知られている。

ストライガとはハマウツボ科の寄生植物で、イネ科のトウモロコシ、サトウキビ、イネの根に寄生して生育し、作物収量を大きく損なうので別名《魔女の草witchweed》という別名もある。

01_2215organis.jpg


一度寄生を始めると、その種子は50万個も散布され、20年間も休眠状態に入る。その間にイネ科作物の植え付けなどが行われ、根が成長を始めると根から分泌されるストリゴラクトンにより休眠打破が行われて寄生を始める。

つまり一度感染した土壌は約20年は感染から逃れることは出来ないことになる。

1950年には東アジアのStriga asiaticaがノースカロライナのトウモロコシに侵入を始めたことがあるが、アメリカの農業省の懸命な除染作業により侵入を抑えたという経過もある。

02_2230map_of_Striga_asiatica.jpg


********************************************************
日本への侵入は未報告であるが、成田空港などで植物検疫を徹底していくというのは重大な意味があるのである。

さてまんいち、ストライガの侵入を許してしまった場合、ストライガに耐性を持つ遺伝子を導入した作物を育てるという方法もある。しかし昨今の遺伝子組み換え作物に対する忌避では、この方法は取りにくいであろう。

03_2566img4.jpg
[左が遺伝子組み換えで耐性を持ったトウモロコシ、右は耐性を持たずに寄生されたトウモロコシ]


作物を植えずに土壌にストリゴラクトン(植物ホルモンの一種)を散布し、Striga sp.の発芽を開始させるという方法もある。


これは自殺発芽といわれている方法であり、Striga sp.は発芽するものの宿主のイネ科植物の根が無いので生存できずに枯れてしまう。

しかしこの方法でも枯死する前に多量の種子を散布するので完全に抑えることはできない。

04_Strigol_chemical_structure.png
[ストリゴラクトン]

ストリゴラクトンはカロテノイドからチトクロームP450の働きによって生合成が行われている。

そこで東大ではストリゴラクトンを分泌しないよう生合成阻害剤を開発し、その効果が実際の農地にどの程度の効果をもたらすのかという研究も行っている。

いずれにしろ、タイもマレーシアもストライガ汚染地区に入っている。

これがトウモロコシ、コーリャンに続いてコメにまで汚染範囲が拡がった場合、農業大陸タイランドはいきなり飢餓大陸タイランドに転落するという危機を秘めているのである。



JIMMY

最後までおつき合いありがとうございます
タイブログのランキングに参加してます。
下記バーナー↓↓↓を1日1回一押ししてもらえると大変嬉しいです!

にほんブログ村 海外生活ブログ タイ情報へ
にほんブログ村
にほんブログ村 海外生活ブログ バンクーバー情報へ
にほんブログ村



テーマ : タイ・バンコク   ジャンル : 海外情報

東芝未来科学館@川崎




川崎駅前のラゾーナの隣にある「東芝未来科学館」に行ってみました。

01_3201tosbmusm.jpg


東芝と言えば電化製品だから、電化製品の歴史のような博物館です。


入り口に入ってまず目に止まるのは、電球の歴史。

ここにはエジソンが1879年に開発した白熱電球のレプリカがあります。

02_3187tosbmusm.jpg


そしてたった40時間しか持たなかった白熱電球を200時間以上まで長寿命にすることができた京都・石清水八幡宮の竹ひご。
エジソンが電球のフィラメント素材に竹がいいことを見つけると、日本に来た時に伊藤博文が京都を紹介したようです。

03_3184tosbmusm.jpg


********************************************************
白物家電は昭和の三種の神器として、欲しいもののベスト3でした。

その一つ目は「洗濯機」。これは1957年(昭和32)発売のVQ-3自動反転噴流式洗濯機。自動で回転方向が逆転してしっかり汚れを落とすというものです。
脱水は自動ではなくて手動ですが、意外とその方が使い勝手がいいかもしれない。

04_3188tosbmusm.jpg


二つ目は「冷蔵庫」。これは1957年(昭和32)発売のGR-820です。ただし冷蔵庫自体は以前からあって、当時は氷を買ってきてフリーザーに当たる場所に置いていたものですが、そちらは氷蔵庫として区別するようです。

05_3191tosbmusm.jpg


三番目は「白黒テレビ」。1958年(昭和33)発売の14EKです。当時115,000円くらいで売り出しています。
当時の初任給が11,297円ですので、初任給の10倍くらい。現在の貨幣価値で見ると200万円くらいになります。クルマが買えるような値段だったということでしょうか。

06_3193tosbmusm.jpg


やがて東京オリンピックが開かれることになって、カラーテレビも本格的に広がっていきます。

次に1964年(昭和39)発売の16WRというカラーテレビです。当時の価格が175,000円。だいたい1インチ=1万円という値段相場でした。

現在の液晶テレビが1インチ=1000円だから、現在より値段にして10倍。貨幣価値を加えると10×10=100倍も高かったことになります。

逆に言うと、メーカーや部品のサプライを総合して、昭和39年代の白物家電には100倍の利益があったということになります。


07_3196tosbmusm.jpg


こうしてみると、現在のiPhoneなどが10万円として、これが1000円で売られるようになったとすると、だいたいのメーカーが撤退するというのがよくわかります。




JIMMY

最後までおつき合いありがとうございます
タイブログのランキングに参加してます。
下記バーナー↓↓↓を1日1回一押ししてもらえると大変嬉しいです!

にほんブログ村 海外生活ブログ タイ情報へ
にほんブログ村
にほんブログ村 海外生活ブログ バンクーバー情報へ
にほんブログ村



テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。   ジャンル : 学問・文化・芸術

プロフィール

JIMMY

Author:JIMMY
タイの美少女をイラストで紹介したいと思います

音楽の話やイラストの話と
おいしい科学もオヤツにどぞ

LEOも時々訪問してくれます

カレンダー
05 | 2018/06 | 07
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR